「小説表紙『バケモノの供物』」

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  • 公開日 2021年09月20日

小説『バケモノの供物』著・4℃さん
https://estar.jp/novels/25877345
小説表紙描かせて頂きました。


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金色の瞳。
鎖骨辺りに広がる桜の様な花模様。
何も知らぬ人はこれを綺麗だと言うが、これらは全て呪いの類いに過ぎない。

青葉家は代々、金色の瞳を持つ者を「供物」として捧げる。「供物」となった人間は18を迎えたのと同時に「龍神」と呼ばれる人成らざる者へと捧げられる。





「お前、妙だな」

「…?」

「私を見ても怖がる素振りを見せない。何故そんな従順な態度を見せるのだ。今迄の供物達は皆、泣き叫び、許しを請うの繰り返しだったのに」

愚問である。
それは貴方様が怖いから以外、何もないだろう。
人間離れした美しさを振り撒くのにも関わらず、その花には毒を持った鋭い棘がある。綺麗なモノ程触れると怖いと聞く。今迄の彼等は死ぬ覚悟が出来ていないから恐怖を感じていたのだろう。しかし僕は違う。

「貴方様に喰われる為に産まれてきたので恐怖なんて感情は不必要。私の存在意義は全て貴方様にあるのです」

「ーーー……そうか」

スッと椅子から立ち上がった彼は、僕の言葉を合図にコツン、コツン、と靴の音を響かせながら近付いて来る。いよいよかと歯を食い縛り、目を閉じたが、目の前迄来た彼は僕を見つめ、手を掲げたかと思いきや人差し指をピッと僕に指して言う。

「供物など必要ない。此処で生き、死ぬ迄私に仕えろ」

…………今なんて?



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小説お借りしています。

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