「ガルバロア:試行錯誤の経緯」

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  • 公開日 2022年12月26日

最初期は緑色で名前も〈フラングリーン〉でしたが、後に青色変更で〈フランブルー〉となる……も、やはりしっくりせず、赤担当が〈ブラッド〉という〝キャラクター象徴ネーミング〟になった事から「フランケンシュタインといえば〝電気起因生命〟か」と思い直し〈サンダーロア〉とする……も、チト森羅万象過ぎて物々しい印象にもなったので少し矮小化して『ガルバーニュ電流:生体電流』から現命名となりました。この『ガルバーニュ電流』は原作『フランケンシュタイン』に於いても生命萌芽基礎理論に用いられている要素ですから相応しいかと。

何故、青色になったかといえば、初期段階から(両天秤構えながらも)五人体制を構想していて、そうなると五人目は〈水棲のアイツ〉になる事が明白だったからです。
ですが、当初はコチラを〝グリーン〟にして、アチラを〝ブルー〟とするつもりでした。
モチーフモンスター〈フランケンシュタインの怪物〉は緑体色のイメージが一般定着していますし、多くの『モンスター=グリーン』という漠然とした先入観のルーツにして代名詞的存在ですから(ちなみにこれは『モノクロ映画』故に発生した根拠不明なイメージであり、正しくは映画版といえども普通の肌色のようです)。
ですが、先述の理由から〝ブルー〟へと変更……とはいえ〝ブルー〟には古今東西に於いて〈死人返り〉のイメージも強いですから、この変更処置はあながち間違いでもないと思っています。

このキャラクターまでは〈人面型〉での意向に試行錯誤しています。
ほぼ〈ブラドロア〉と平行的に意匠模索をしていましたね。
ただし、コチラは〈ブラドロア〉とは逆に〈人面型〉でしっくり纏まっていました。
ところが〈ブラドロア〉が〈カラーゴーグル型〉と固まった事で、それに合わせたデザイン再模索へと突入した逆経緯にあります。
で、そうなると逆にコチラの新デザインが固まらず、相当試行錯誤する羽目になりました。
そもそも〈フランケンシュタインの怪物〉は〝不気味な縫合死体〟という特性が最大のアイデンティティであり、ともすれば〈吸血鬼:コウモリ〉〈狼男:狼〉のような〝具体的象徴モチーフ〟が存在せず、せいぜい〈雷/電気〉しかない。
しかし〈雷/電気〉だけで押すと〈フランケンシュタインの怪物〉として伝わり難いのですね……やはり〝不気味な縫合死体〟という要素の方を前面にしないと伝わらない。
苦肉案ですが額部を別パーツ処理にして〝脳解剖〟を想起誘発し、同じく赤ラインを〝縫合痕〟と想起誘発させる実験的意匠にしてみました。
また〈T字型カラーゴーグル〉は言うまでもなく〝目鼻〟を表していますが、同時にゴーグル下部(頬上部)に据えた別カラーゴーグルは〈フランケンシュタインの怪物〉特有の〝虚ろ瞼の目〟を落としたもの。
つまり〝目〟に該当するパーツが二種据えてあり、これは〝どちらに意識を傾けるかで印象が変わる〟という私特有の定番意匠。
これ以前にも〈妖滅戦隊カルマージャ〉から織り込んでいたコンセプトでしたし、もっと言えば〈魔女帝ジャシス:『可憐戦隊オトメイザー』〉もそうでしたから、別に〈ガルバロア〉が初ではありません。

堂に入ったスーパーヒーロー然と成立させるには、かなり難易度の高いモンスターでしたね。
実際のところ〈フランケンシュタインの怪物〉として感受できるかは未知数ですが、少なくとも〈独創性の高いスーパーヒーロー〉としては完成されたと思っています。
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