「ブラドロア:試行錯誤の経緯」

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  • 公開日 2022年12月22日

デザイン面では、かなり試行錯誤に腐心しましたね……なかなか方向性が舵切れずに。
吸血鬼モチーフとなれば鉄板意匠は必然的に〈コウモリ〉なワケですが、そもそもコレは意図的に折り込まない方向性でした。

というのも〈コウモリ〉は〈悪魔〉とも共通意匠であり、そちらの方には既に〈デビルマン〉〈ザビタン:『アクマイザー3』〉という代名詞的キャラクターが存在しているからです(平成期には吸血鬼モチーフとして〈仮面ライダーキバ〉も登場しました)。
こうした既存背景から〈コウモリ〉をモチーフにすると、どうしても多くの人からは「あ、デビルマンだ」「ザビタンだ」とされがちなんですが……いや、漠然とした脳内イメージ先行で言う前によく比較に見てから言って?www
この先入観による決め付け事象は常のようで、例えば『モンスターイラスト:半魚人』とかでも「あ、悪魔超人アトランティス(『キン肉マン』)だ!」と言われたりね?
コチラは既存イメージから差別化脱却するべく試行錯誤して〝違うもの〟に意匠を仕上げていますからw
むしろ意図的に寄せている時は公言していますから(例えば〈アレック・ルゥ将軍〉や〈汎用戦闘員〉等)。

で、まぁ、愚痴はともかくとして……そうした意向から最初期は〈コウモリ〉ではなく、ダイレクトに〈ドラキュラ伯爵〉を仮面化していました。
映画で演じられた〝ベラ・ルゴシ〟や〝クリストファー・リー〟の像ですね。
つまり〝オールバックおじさん〟をモチーフとしていたのです。
この頃は〈ゴーグルタイプ〉ではなくて『バトルフィーバーJ』のような〈人面型〉にする意向でした。
私自身が好きなのもありますが、このタイプは『戦隊』のみならず特撮ヒーロー史自体にいなくなって久しい(特撮黄金期には『人造人間キカイダー』『イナズマン』『ロボット刑事K』と殊更〈石ノ森ヒーロー〉の定番でした)。
それに〈西洋妖怪:クラシックモンスター〉の場合は〈ドラキュラ伯爵〉〈フランケンシュタインの怪物〉〈ミイラ男〉と殊更に人面直球が多いので、デスマスク風に硬質仮面化すれば上手く融合すると思ったのです。
ですが、どうしても脳内目算通りにはなりませんでした。
スーパーヒーロー然とした〝カッコよさ〟に纏まらない。
散々模索に描いても為す術無く途方に暮れ、致し方無く〈コウモリ〉モチーフと折れた経緯にあります。

しかしながら、先述の差別化を念頭に試行錯誤し、カラーゴーグルにする事と戦隊特有の口元を混在させる事で、どうにか〝既存コウモリモチーフ像〟とはまた違うデザインに成立しました。
この辺りの模索経緯は額部~頭頂部をよく分析すると〝オールバックの名残意匠〟が残されている事に気付けると思います(生え際ラインとか)。

胴体は胸部に〈魔物の目〉を据え、腹部を口とする事で〝モチーフモンスターの魔性本質〉を現しています。
まぁ、これも〈魔将軍ザンニン:『デビルマン』〉及び〈妖将軍ムザン:『デビルマン』〉の混合を彷彿させる意匠になってしまいましたが……着想は、それこそ〈妖滅戦隊カルマージャ〉との対比で、彼等がヘルメット意匠に〈妖怪本質〉を落としていますから〈エクスロア〉の場合はボディかな……と(ヘルメット冠部には落とせなくなりましたから)。

このように成立まではかなり試行錯誤しましたが、この〈ブラドロア〉で方向性が定まると、残りのメンバーはかなり楽に完成しましたね。
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