「猿のお面屋さん」

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  • 公開日 2024年01月17日

今回はゴクウセンジャーの模索工程。
まず大前提として〝孫悟空〟最大の特徴である〈金護経:頭部金冠〉を強調に活かす事は決定。
ただし原典ママでは〝金輪っか〟でしかなく別パーツ感も強いので〈戦隊ヒーロー〉らしく〝自己主張に映えるディテールパーツ〟とアレンジする方向性に定める。

①稿は素直に直球過ぎて〈スタンダードな戦隊像〉でしかなく〝孫悟空〟としての自己主張が皆無──無個性でツマラナイので没る。

②稿にて多少個性的な着想が生まれる。
ゴーグル下部曲線は〝猿の頬肉〟を表したものであり、ゴーグル部そのもので〝それ自体〟を想起させる。
これによりマスク部も〝猿が口を開けて吠えているイメージ〟と固まる。
しかしながら〝金護経〟と〝頬肉〟のみで肝心の〝猿面(事に目)〟が織り込めておらず〝孫悟空〟と連想させるには苦しい。
加えてゴーグルが曲線主体に大きく据えられてしまったせいで全体的に穏やかで愛嬌のある面構えとなってしまい〝戦闘ヒーロー〟としてのシャープなカッコよさが死んでしまっているために没。

③稿は②稿のアイデアをブラッシュアップしてみた形。
鋭角シャープなゴーグルを据える事で攻撃性を強調。
加えて頭頂をトンガリ型にする事で〝獣毛の逆立ち〟を感受させる狙い。
悪くはないがどことなく〈仮面ライダー響鬼〉を連想させる酷似となってしまい、また〝孫悟空〟と言われても「どこが?」な印象へと掛け離れてしまったので没。

④稿にて「いっそ金護経自体をゴーグルにしてみたらどうだろう?」と面白いアイデアが湧く。
この稿にて〈カルマージャ〉特有の「妖怪顔とゴーグル顔が混在していて意識をどちらに傾けるかで印象が変わる」という意匠コンセプトが織り込まれる(ゴーグル下部~頬肉ライン間が〝孫悟空顔の目〟のイメージ)。
ほぼほぼ悪くはなく気に入ったものの、まだ一押し〝孫悟空〟感を強調したくもあり……で決定稿へと繋がる。

決定稿では〝発光眼〟を据えた事で一番〝孫悟空〟を直連想させるデザインと纏まる。
また両側頭部に〝金色の半球体〟を大きく据える事で〝猿耳〟を表現。
反面、狙いであった〝ゴーグル顔〟の方は全く機能しなくなった感にもあり……。
しかしながら肝心なのは〝受け手に〈孫悟空ヒーロー〉と初見認識される判り易さ〟であるので、結果論ながらもコレがベターな形とは納得するに至る。


このように〈アマチュア創作ヒーロー〉とはいえ〝計算〟と〝模索〟の試行錯誤にて〈完成〉と至るのです(ゴクウセンジャーに限らず)。
決して〝既存ヒーローの安直な模倣〟ではない。
そして〝生み出す:具象化〟という工程は決して楽でもない。

だから、殊に一般ブログ投稿だと多いのですが(創作サイト系では無いですね)、たまに(ウケ狙いなのか)軽々しく「あ~、●●だぁw」とか言われるとホントにイヤになりますね。
しかも〝それ〟とキチンと比較分析もしないで漠然とした脳内イメージだけで即興コメで……ね。
例えば〈半魚人〉描けば「あ~〈悪魔超人アトランティス〉だぁw」とかね?
いや、それさえも越えた原典〈ギルマン〉の方だよ!
ってか、比較しても『半魚人』『水中』『魚面』『緑体色』以外、全部違うよ!
面構えからヒレ配置まで!
うん「汲めよ! コッチは脳細胞と時間と労力を注いで〈形〉に具象化してるんだから!」とは思う。
「既存像との酷似性を追求する気なら、最低限、せめて双方の比較はしろよ! そのうえで〝似てる〟と言われりゃコッチも受け止められるんだから!」とは思うw
結果として似てしまったとしたら私の力量不足という事でしょうが(そこは精進するしかないw)……その場合はあくまでも『結果論』です。

まぁ、少なくとも私のフォロワー様達には、こうした背景があった上で〝生み出されている〟という事を認識して頂ければ幸いと思います。
ガチ熱真摯に臨むとなれば『アマチュアヒーロー創作』とはいえ〝安直安易〟ではないのですよ(私に限らず)。

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