「「禁じられたアケイアの美」」

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  • 公開日 2021年08月11日

3週間投稿していませんでしたが、戻ってきました! 今進行中の活動を継続しつつ、別の計画の実行に移っています。 みなさんご存知の通り、僕は音楽からインスピレーションを得るのですが、今回はジェネシスの名曲「リップルズ」のメロディーから想像力をふくらませてイラストを描きました。この曲をお聴きになればお分かりいただけると思います。

マー紀元10 136年。 エンリュー街の図書館は、目に見えない世界に惹かれる秘教主義者や神秘主義者たちにとっては非常に興味深い作品を所蔵している。このおびただしい量の古文書は「イリヴァンチャにおける幽体離脱体験」と名付けられている。 この作品中では、秘教主義者の生徒であるダゼリューの類まれなる幽体離脱体験について詳述されている。ダゼリューはマスターの導きの元、169000あるイリヴァンチャ次元の内の一つを訪れたのだが、これは太古の次元に属するもので、通常の波動エネルギーの界層 には含まれないものである。 この体験は『禁じられたアケイアの美』と題された章に、細心の注意を持って詳述されている。この章の中で我々の注意を引くのは次の部分である。 「私は天も地もない場所にいた。しかしながらそこには素晴らしい景色が広がっていた。草原と、花々で溢れる畑とが混じり合い、例えようもなく美しくきらめく滝の水によって潤されていた。この美しさは我々の世界のそれとはまったく異なるものであり、この情景を描写する言葉が見つからない。光はどうやら様々な方向から派生しているらしく、この新しく未知なる光のきらめきを私はうっとりと眺めていた。 ふと、女神のようなまばゆい輝きをたたえた女性の姿を認めた。彼女ははかり知れない美しさを持ち、人間業とは思えぬ躍動感に満ちたメロディーを奏でている。この光景は私の全存在を震わせた。力強い感情と至高の歓びがなだれこむ私の魂の中に、果てしなく広がってゆく傷跡を残しながら。この感情に比べたら「愛」とは俗悪な言葉に過ぎない。終わりなき魂の上昇の中で、死ぬのではないかという予感が私を襲った。突然、この体験が中断され、私は自らの肉体に再び戻ってきたのを感じた。未だ呆然としながら、マスターの方を振り向いた。彼はこの間ずっと私の傍にいたのである。失望して私は言った。 「あなたが私を呼び戻したのですね。」 師は微笑んでこう答えた。 「時として、至高の善は悪そのものよりも悪を成すものなのだ。」

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