「小説挿絵『続・桃紅柳緑──アイツと一緒にいる意味と、独りでも戦う理由──』」
『続・桃紅柳緑──アイツと一緒にいる意味と、独りでも戦う理由──』
著・sakuruさん
https://estar.jp/novels/25776855
P38~ 第二章(13)挿絵描かせて頂きました。
https://estar.jp/novels/25776855/viewer?page=38
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ゆっくりと、上半身にいくつもキスをして、気づけば、アキの制服のシャツは完全に肌蹴ていた。
だけど、もっと、もっと欲しくて。
ふと、それ以上のことをしていいのかって、瞬間ためらう。
でも、きっと。自分がされたら気持ちいいことは、きっとアキだって気持ちいいはず……。
そう思って、ごくりと唾をのみ込む。
ゆっくりと、ベルトに手を掛けようとした瞬間。
『ぐはぁ。疲れたわ~』
廊下を歩いていく、寮生の声がして、俺は思わず手を止める。
ふっとアキが上気した瞼を開いて、潤んだ瞳で俺を見て、くすっと困ったように笑った。
そのままその手が伸びてきて、俺を引っ張り上げるように抱き寄せると、ぎゅっと抱きつく。
ドクドクするような欲望の感覚が、ふわふわする甘い情感に覆われていく。
いや、根っこでは熱はガンガンと打ち付けているけど。
それでも二人して、二人で鼻をすり合わせるように見つめあって、くすくすと笑う。
なんだかすごく幸せで、
「……今日のところはここまででいいか」
くすって笑った俺の顔を見て、アキが今まで見たことないような、幸せそうな顔をして、そっと俺の唇に自分から唇を寄せる。
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小説お借りしています。
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