「■ ルッキズム禁止法 ■ 」
20✕✕年、日本でのルッキズムは最高潮に達し、差別は苛烈を極めた。ある国政選挙の年、ルッキズム反対を推進する政党が政権を握り、ルッキズム禁止法、通称「ル禁法」を成立させる。
国民は全て顔が想像できない政府指定のマスク(1000種類&カスタマイズ可)を被る義務を負った。外して良いのは家庭内と、病院で顔に関係する治療や検査を受ける時だけだ。
またその代り、服を着る事が禁止された。仮面をつけた上に服を着たのでは、誰が誰だかわからなくなるからだ。それに体は自分の努力で見栄えを良くする事が可能なので、不公平感を緩和できると政府は考えた。また結果的に、国民の健康増進にもつながるとした。
マスクには性欲&羞恥心抑制装置が装備されており、首に付けられたチョーカーには自分の周りの外気温を調整可能な機能が付いている。
諸外国からは「クレイジー!」との批判も出たが、政府は胸を張ってこう言った。
「これが我が国伝統の”裸のつきあい”というものだ」