「安齊勇馬(第72代三冠ヘビー級選手権者)」
予想した通りというといささか斜に構えた見方になってしまうが、勝彦に安齊クンが勝つならあれしかないと思ったね。フィニッシュのジャーマンよりもその前のジャンピングニー、試合の序盤からいい感じに決まっていた。
加えて全日の若手はまず攻めよりも受けで成長していく。先輩に対して有効打を作れずとも、技を返し続けていけば相手も消耗し、自ずと熱戦になっていく。
耐えて耐えて、最後に今の自分の必殺技が立て続けに決まった。直前の新木場大会で諏訪魔からも3カウントを取ったし、それで勝てるというのも証明済。
今はそれで良いんじゃないかね、「勝った者が強い」というプロレスで。
もちろん大多数のファンを納得させるには「強い者が勝つ」を体現しなくちゃならない。
しかし純粋に先輩に対してフィジカルや技能を上回るには数年がかりの鍛錬になる。それを辛抱強く待ってくれるファンも当然いるだろうが、プロレス界に限らず流れの早い時代になったからね・・・。
いずれにしても史上最年少でのトップ王座戴冠は栄誉であるが、同時にキャリアの浅さを言い訳できない茨の道を歩む事になってしまった。
しかし、同大会ではアジアタッグ、世界ジュニア、世界タッグも同じ新世代と呼べる選手がベルトを腰に巻いている(世界ジュニアは王者防衛)。
それぞれが一人で新たな時代を作っていかなくてはならないという孤独な王者ではない、ということが彼らにとってはある種の救いなのかなと思う。
これから先は強大な挑戦者を迎えながら、それぞれが切磋琢磨していって欲しい。
というわけで週プロの言葉を借りるなら、ただいまゼンニチ超新時代。大田区大会を機に一気に世代交代が進んだ。
中でも新たな三冠王者に期待しつつ、今年のチャンピオンカーニバルを大いに楽しみたいと思います。
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