「葉っぱと棘!2「オープンセール!」」

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  • 公開日 2024年01月19日

不良気質のある高2の隼人(はやと、17)は反抗期真っ只中!憂鬱な気分で買い食いのサラミにかじりつきながら、母親の働いているスーパーにちょい見がてら横を素通りした時、傷だらけの少年をみかける!

隼人
「そいつに最初に会ったのは、オープンしたばかりの母親がパートで行ってるスーパーの駐車場のはしの花壇でだ!
花壇というか、オープンした祝いで飾られていた、赤い薔薇が積みおきのような感じのやつだ。ガキの親は中で買い物してるのか、そいつはおいてある薔薇を掴み取るように、花びらをむしり取っては棘のある茎を頬ずりするみたいにキズだらけになった手で何度もこすっていた。
2月のくそ寒い時に半ズボンかよ!それに、オープンといったってすでに一週間は立っているせいもあって客はかなりまばらで近所に住む老夫婦か何気に立ち寄るようなやつが、ちらほら視界に入るぐらいで、そのせいか、よけいにそいつの姿が目立って見えた。
俺は、ずいぶん悪趣味な遊びしてんなと鼻で笑って、人ごとに素通りしていると、そいつと目があった。顔面傷つけてもなんも感じねえのか退屈そうなやばい目!
なんか文句でも、言いてえのかと、思ったがさっき俺は高校に退学届けを出しに行った所で虫の居所も悪くガキ相手でも殴り倒しちまいそうだったから早足で通りすぎてグッと耐えた。偉いぞ俺・・・!(-_-メ)
わりと有名な学校だったが、真面目なやつばかりで入学してからずっと退屈で、ほとんど行くふりで学校近くのゲーセンばかり通っていた。
髪も銀髪にしてピアスして、うざい不良とかに絡まれた事もあったが学校にバレるのが面倒で大怪我をしないていどに器用にやり過ごしたりしていた。
まあ、いわゆる反抗期みたいなもので高校入ってから急に毎日が退屈で虚しくなったような感じだ。ただ誰にも干渉されずに、1人になりたかった。勉強は嫌いじゃなかったし、試験の時は何とか平均点は何とかクリアしていた。
学校から何度も電話がかかってきたけと、親も特にそれに対して別に怒ったりはしなかった!
それはむしろありがたかった!
おしどり夫婦とか、昔から周りから言われていた両親だけどケンカもよくしていた。で、仲直りのたびに旅行に行ってラブラブな感じになってた。まあ、高校になってからは、さすがに俺は旅行については行かなくなったけど…!笑だがそれから去年の高2の秋にいつものようにケンカの仲直りに旅行に行った時、夜に旅館近くの繁華街を散歩していた親父が酔っ払いの車にはねられて死んだ!

歩道側にいた母親は奇跡的に無傷で助かったけど、帰ってきて、親父の葬式が終わってからも中々立ち直れずにいた!・・・(-_-)

俺自身、親父が死んだことに実感が持てなくて、そんな冷めた空気の家にいるのが嫌で外出ばかりして母親を困らせていた。…で、つい先週、最終的に免許もとっちゃいねえのに、むしゃくしゃした夜に街の駐車場にある目立ったオートバイに手を出した所を警察に見つかり補導され、それが決め手で退学になった。」

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