「風の村の案山子」
案山子は言う。
「ここに長くいないほうが良い。」と。
昔は風の力を使って人々は豊かな暮らしを送っていたそうだ。
しかし、3年ほど前から生ぬるい嫌ぁな風が吹くようになった。
その風は生き物をを徐々に藁状の枯れた植物上に変えていき、豊かだった村はこの風車と
カラカラの元々は人や牛などだった藁の山しかなくなった。
ここに長くいるとこの藁の一部になっちまうぞというのだ。
「案山子さんは大丈夫なの?」と僕は聞いた。
案山子はしばらく黙り、少しあたりに目を向けた後、
「ここいらの藁を鳥などに持ち去られないよう見守ってないといけない。」と言った。
僕は彼は藁になってしまった村人がいつか元に戻ることを信じているのだと思った。
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