「夕立くノ一〜カエル面談〜」
コイツかよ?ウチの忍者部隊に入りたいって言ってるのは。
何?
「あなたが隊長の蓮霧(れんぶ)さんですか?」
だって?
馬鹿かお前は。これから忍者カエルとしてやっていこうと自分で志願したくせに、隊長の顔を知らないのか。間抜けなカエルだな。
何だって?もっと大きい声で喋れよ。土砂降りの雨と、繁殖期のアマガエルどもの鳴き声のせいでよく聞こえないんだ。
「人と話をした事がないので、怖くて目が見れません。ごめんなさい・・・」
だって?
だからお前は間抜けなんだ。お前、私がこんな「奇天烈(きてれつ)アマガッパ」を普段から着ていると思っているのか。
お前ら野良カエルどもが人間とコミュニケーションをとる経験なんかない事を、私が知らないわけがないだろう?
上の目ん玉を見ろ、私じゃなくてカエルと喋ってると思うんだ。
ガマーロ「(頑張って!勇気を出して!言い方が厳しいけれど、蓮霧さんはとっても優しい人だから!)」
まあいい、とりあえずは入れてやる。使えなかったら目の前の田んぼにぶん投げてやるから、それは覚悟しておけよ。
「やっていける自信がない」
だって?
最初からそんなもんがあってたまるか。私が使える奴になるまで教育してやるに決まってんだろ。使える奴になったはずなのに、使えなかったらぶん投げると言ってるんだ。
それくらいわかれよ。
いいか?お前は今日から、
「下呂田 ガマ座右衛門(げろた がまざえもん)」
と名乗れ。
いくぞ、ついてこい。何ヘコんでんだ。晴れの日の電線にいるカラスの口に投げるぞ。早くこい!
ガマーロ「(ネーミングセンスはその、ひどく壊滅的だけど・・・)」
中忍、蓮霧率いる忍者カエル部隊。
くノ一組織、「桃忍(ももにん)」の中でも、選りすぐりの精鋭の集まりである。
ファンレターはありません