「大人が楽しめる骨太小説コンテスト」 結果発表
NOVEL DAYSコンテスト
お題:「大人が楽しめる骨太小説」
結果発表‼
受賞作
須崎正太郎
選評
手塚治虫を見出し、幻の作品『新宝島』を合作して世に送り出した実在の漫画家・酒井七馬にスポットライトを当てた意欲作です。 題材選びの妙もさることながら、光と影の「影」にあたる立ち位置の人間の、内面の揺れ動きを白日の下に晒す描写力が素晴らしいです。 戦後という何もかもが特殊な時代に現れ、生き、そして消えていった漫画家の栄光と失意の半生が、時代感もリアルに描かれ、まるで酒井七馬が目の前で笑ったり、もがいたりしているようでした。 選考員一致しての受賞となりました。おめでとうございます!
全体講評
予想を大幅に上回る多数の応募をいただき、ありがとうございました!
それにともなって結果発表が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
今回の応募作品は、全体的に文章力がとても高く、「大人が楽しめる骨太小説」らしい作品が多かったです。
長編のみならず短編も多く集まっていて、短編のよさを生かした見事な構成に舌を巻くような作品も少なくありませんでした。
コロナ禍の中での人々の生活を描いた作品などもあり、世相をいち早く作品に落とし込む意欲にも感心させられました。
また、歴史小説も多く、中でも近現代を扱う作品が多数見受けられたのも印象的でした。
受賞作をはじめ、多彩な傑作が集まりましたので、読者の皆様それぞれに刺さる作品があるのではないかと思います。
ぜひいろいろ読んでみてください。
佳作紹介
惜しくも受賞には至らなかったものの、選考員の目に止まった作品をいくつか紹介します。
あおぞらつばめ
よくぞこの人達を見つけてきました。世界史の激動に翻弄されながら生きる人々の生き様に心動かされました。
Maro
明治期の女性柔術家の胸をすくような活躍ぶりが楽しかったです。全体を貫く軸があればさらによかったかも。
大橋 他
変わった大学生たちの、真剣な青春が、少し不思議な要素を織り交ぜて上手く描かれていて、引き込まれました。
Dragonfly
ご都合主義なところはありますが、読んでいて楽しい、エンタメ性抜群の作品でした。
紅侘助(くれないわびすけ)
悲哀のある心中もので、短編として過不足なくまとまっており、余韻がありました。
林 奏
多数の登場人物たちがうまく描き分けられ、緩急のしっかりついた恋愛小説でした。
島倉大大主
キャラが立っていて楽しいゴーストバスターものでした。