2000字書評コンテスト 『愛されなくても別に』結果発表!
NOVEL DAYS × tree
2000字書評コンテスト『愛されなくても別に』
結果発表!!
受賞作
日暮彼方
単なるあらすじ紹介でも、評者の感想一辺倒でもなく、大変バランスのとれた書評でした。
作品を紹介しながらメインテーマとして扱われる「愛」への問題提起を、作品に沿いつつ自分自身の視点も交えて読者に提示し、作品を読んでみたいと思わせるように工夫されています。
また、要所要所で引用される作中の印象的なフレーズも、作品のテーマや文体、登場人物のスタンスなど多くの要素を抽出するよう計算されて抜き出され、読者に対して作品のさまざまな魅力をダイレクトに伝える要素として実に効果的に用いられています。
本書評をきっかけに問題意識が喚起され、作品に手をのばしたという読者も多いのではないでしょうか。
全体講評
『愛されなくても別に』の書評をお寄せいただき、ありがとうございました。
家族愛という、普遍的ながらも人によって捉え方の大きく異なりうるテーマを据えた作品だけに、書評にも評者ごとにそれぞれの解釈の違いが如実に表れていたように思います。
また、完全に客観的な書評よりは、評者それぞれ自身の経験や考えを元に作品を分析、紹介することで説得力を高めているものが比較的多く見受けられ、興味深く読みました。
本作のような作品では、複数の書評を読み比べてみることで、新たな気づきや視点を得ることができ、作品をより深く味わうことができることが多いです。
読者のみなさまも、ぜひ各書評と『愛されなくても別に』をともにお楽しみください。
優秀作品
惜しくも受賞には至りませんでしたが、ぜひとも読んでほしい作品を紹介します。
・被抑圧者への光 あおぞらつばめ
こちらもバランスがよく、レベルの高い書評に仕上がっていました。
若い読者、大人の読者の両方に目配りが利いているのは、特筆すべき点です。
・家族なんて別に 嵐山林檎
特に登場人物の紹介に力点が置かれています。
それぞれに問題を抱えた女子大生たちを入り口にするというのは、たしかに本作に有効なアプローチです。
・「愛」とはただの文字なのだろうか アキハミチ
読者の視点から作品のメインテーマを誠実に論じた書評です。
本好きが本好きに作品を薦める際に特有の、素朴で力強い説得力がありました。