2000字書評コンテスト『法廷遊戯』 結果発表
NOVEL DAYS × tree
2000字書評コンテスト『法廷遊戯』
結果発表!!
受賞作
野地 嘉文
とてもバランスがいい書評で、舌を巻きました。
作品の中身についての紹介・分析を中心として、社会の潮流やメフィスト賞の系譜の中での作品の位置づけも行い、現代的な意味での作品の価値をも見出しています。
さまざまな視点からの分析を経て、面白さと意義の両面からこれは読んでおかねば、という気にさせる、見事な書評でした。
受賞作<編集部イチオシ>
玄野慎
どの書評も気づかされることが多く大変面白く拝読しました。誠にありがとうございます。なかでも本作は、『法廷遊戯』主人公・久我清義の人間性を、ご自分の言葉で分解し、さらにメフィスト賞受賞作としての必然性を示してくださっている点がとても素晴らしくて、圧倒されました。あらためて、清義が主人公である必然性を私自身考えさせられたので推させていただきました。
ーー担当編集者より
全体講評
たくさんのご応募ありがとうございました!
おかげさまで、非常にレベルの高い書評コンテストになりました。
コンテストという立て付けなので受賞作を選ぶかたちにはなりましたが、応募されたどの書評からも『法廷遊戯』のここを推したいんだ!という熱い想いが感じられました。
また、まだ読んでいない読者の為に、極力ネタバレをせずに魅力を伝える必要性と、2000字という多いようで意外に少ない分量を両立させる必要がありましたが、どの作品もそんな制約を感じさせない、読み応えのあるものばかりでした。
『法廷遊戯』担当編集者も非常に喜び、急遽<編集部イチオシ>枠を設けることになったほどです。
これらの書評を読めば、『法廷遊戯』を二倍も三倍も楽しめること間違いなしです。
ぜひ書評と『法廷遊戯』、セットでお楽しみください。
優秀作品
惜しくも受賞には至りませんでしたが、ぜひとも読んでほしい作品を紹介します。
・セイギの裁き 川勢 七輝
極力ネタバレを回避しつつ、本編の魅力と難点を分かりやすく紹介しています。
評者の視点を打ち出すことで親しみやすさを感じさせる文章になっており、幅広い読者に魅力を伝えられる力を持った書評でした。
・誰のためのセイギ、君のためのホウフク 坂嶋 竜
NOVEL DAYSの機能を生かした、普通の書評ではほとんど見ることのない3部構成の書評です。
内容としても『銀河鉄道の夜』を散りばめるなど工夫を凝らし、印象的な表現で作品の魅力を読者に語りかける、非常に意欲的な作品でした。
・二重写しの日常 琳
メフィスト賞の系譜からの検討という体裁で、作品の特徴を整理しながら読者にも示すという趣向が、特にメフィスト賞をよく知るミステリーファンにはたまらない書評でした。
『檸檬』の表現を借りてきて読者の幻惑を表現しているのも、趣深いです。