【結果発表】第9回『NOVEL DAYS 課題文学賞』
第9回『NOVEL DAYS 課題文学賞』
結果発表!!
◆優秀賞 (賞金1万円)
白浜台与
選評
第9回課題文学賞へのたくさんのご応募ありがとうございました。
今回の課題は「誰かとごはんを食べたくなる話」。身近な行為が改めて描き出される物語にハッとさせられることも多くあり、興味深く拝読しました。
なかでも『青春鍋奉行』においては、「コロナ禍」を経験した世の中に生きる登場人物が描かれることで、「誰かとごはんを食べる」ことの純粋な温かみが描き出されている点が秀逸でした。テンポの良い会話にはポジティブな人間関係がにじみ出ており、人と人がつながる幸せが表れる場として「食」が存在しているように感じられました。白浜台与さん、おめでとうございます!
次回、第10回課題文学賞も皆さまのご投稿をお待ちしております。
佳作
惜しくも受賞には至りませんでしたが、ぜひとも読んでほしい作品を紹介します。
下ごしらえ 穴木隆象
「食」という生きているかぎりずっと続いていく行為と、いつかは別れがくるものとしての「他者」が同じ空間に描かれることで、時間の尊さが引き出されていました。お見事です。
真夜中のカレーライス 辻本勝彦
ごはんを食べるという空間に辿りつくまでの、料理をする時間や相手を待つ時間が描写されている点に惹かれました。そのような過程のひとつひとつを丁寧にたどることで優しい世界が構築されていく感覚が心地よかったです。
もし嫌な夢を見そうなら 羽庫ふみ
「食」の持つ力が、寄り添う人間の温かみによって少しづつポジティブな方向へ運ばれていく様が切実に伝わってきました。また”寄り添われている”という面の描き方も俊逸でした。
以上となります。
たくさんのご投稿、ありがとうございました!