【結果発表】第10回『NOVEL DAYS 課題文学賞』

 第10回『NOVEL DAYS 課題文学賞』
 結果発表!! 

 

◆優秀賞  (賞金1万円)

冷蔵庫に祖母がいる

従野いちに

 

選評

第10回課題文学賞へのたくさんのご応募ありがとうございました。
今回の課題は「16歳の話」。子どもから大人になる過渡期ならではの感覚が描かれた、数々の作品を興味深く拝読しました。


なかでも『冷蔵庫に祖母がいる』においては、「16歳の私と60代の祖母」そして「生と死」の間に生まれる距離感のゆらぎが見事に描かれていました。火葬場と冷蔵庫という場面の対比構造も秀逸です。従野いちにさん、おめでとうございます!


次回、第11回課題文学賞も皆さまのご投稿をお待ちしております。

 

佳作

惜しくも受賞には至りませんでしたが、ぜひとも読んでほしい作品を紹介します。

 

冬の夜明け 恵本光流

少年2人の会話によって、主人公の視野が広がる瞬間が上手に表現されていました。久しぶりの再会、冬の早朝という澄んだ空気感も秀逸です。読者として少年の「気づき」の瞬間に立ち会えたことをうれしく思います。

 

私だけの速さで 岩戸栞杜

「大人になる」ということが現実的に近づき、将来へ向けてのアクションを考えなければならなくなる時期の悩みが素直な文体で表現されている点に惹かれました。会話のテンポのリアリティもよいアクセントになっています。

 

16歳の夏 井濾鳥ユキ

じっとりした夏の熱気を振り払うように冷たいプールに飛び込む少女たちがとてもまぶしく、美しいと感じました。一方で、制服のまま泳ぐ彼女たちは儚く危うく、青春と呼ばれるものの持つ表裏がよく表現されていました。

 

以上となります。
たくさんのご投稿、ありがとうございました!

 

 

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